環境大臣賞/環境フォト大賞
(カメラのキタムラ賞[写真の力 ~レンズがとらえた瞬間~]から)
- 受賞者のコメント
- かつては佐渡島にもたくさん生息していたといわれるトキ。生息環境の悪化などにより、野生絶滅種となりましたが、現在、環境省や地元の方々の懸命な努力で人工繁殖に成功し、放鳥を続けています。撮影したのは2011年1月。2009年9月に佐渡島で放鳥された19羽のなかの1羽で、越佐海峡をわたり、新潟市に住み着いたものです。トキが生息できる環境は、人間にとっても生活しやすい豊かな環境に違いありません。そうした自然の再生を願っています。
- 審査員評価
- 環境省と地元の方々の努力により、ようやく自然界で暮らしていけるようになった「トキ」を題材とした作品です。「トキ色」とも表現される美しく繊細な羽の色合いを見事にとらえながら、その飛翔する姿を躍動感をもって描き出しています。そして羽の色と絶妙な対比を見せる雪の白。トキを撮影した作品の応募はほかにもありましたが、この作品はまさにベストといえるものでした。2012年は自然界でヒナも誕生したと聞きます。こうした作品が環境大臣賞として発表されることで、社会にまた新しいメッセージを送ることができるはずです。写真としての構成や表現力、メッセージとしての力強さ。いずれの面でも素晴らしい作品だったと思います。