Q:着物の袖丈は年齢とともに変えたほうがいい、と聞いたことがあります。
好みの問題でもありますが、どれくらいの丈が最適なのでしょうか?
また未婚・既婚でも違いをつけるべきなのでしょうか?
(東京都・Kさん)
答える人・大久保信子さん
着物の袖丈について、一般論としましては、身長の1/3くらいが標準ですが、若い方はやや長めの丈、年配の方はやや短めの丈になります。
長い袖丈は、若さや可愛さを表現します。
ちなみに、袖の丸みに関してなのですが、丸みのカーブが大きいほうが、可愛さを表現します。
これは、小紋だけでなく、訪問着や付け下げに関しても同じことが言えます。
子どもの着物の元禄袖のように若い方は、袖の丸みを大きくすると、可愛くなる、ということを覚えておくといいと思います。
ミセスの場合は、礼装というと留袖や喪服になりますが、今は2cmの丸みになっています。
答える人・田中敦子さん
若い女性の第一礼装は振り袖で、たっぷり袖が長く華やか。
しかし、結婚すれば、その長い袖を短くした留め袖が、第一礼装となります。
留め袖とは、袖を短くする意味で、こんなことからも、年齢と袖丈の関係性がわかります。
ここでは30代以上の女性の話をしましょう。
今、一般的な袖丈は、一尺三寸。
身長とのバランスを見て、背の高い人なら一尺三寸五分とか一尺四寸に してもよいと思います。
また、色無地や飛び柄小紋などを礼装で華やかに着たいと考えるなら、一尺四寸の袖丈にして華やかさを出すのも手です。
袖丈は、江戸初期までは、短いものでした。
富裕商人が派手さを競う中で、どんどん長くなったもの。
とはいえ、若い女性や遊女などが中心で、年を取れば短くしていきました。
着物中心の時代には、礼装と普段着では裄や袖丈も変えていたようです。
ただ、今の時代にそうすると、長襦袢も変えなければいけないため、とても不経済。
ご自身の好みやバランスを考えた上で、マイ袖丈を考えてはいかがでしょう。
未婚、既婚の差も、今の時代、ナンセンスだと思います。
だって、30代で未婚の人と既婚の人、差をつけるなんておかしいですよね。
ご自身に似合う袖丈を第一に考えるべきだと思います。