
扉の向こうには、いちいち手にとって眺めたくなる手仕事の品がたっぷり。
その隅々にまで、着る人とつくり手をつなぐ愛と工夫が詰まっている。
二つのわくわくが育むみずみずしい新芽が、表参道から日本全国へ広がる予感。
モードな街の中のジャパネスク空間。それが、「きものやまと」の表参道店だ。
振袖からゆかた、小物類まで、およそ「着物」と呼ばれるジャンルのものは、すべてこの店舗の中に。成人式の振袖を選ぶ娘さんも、そのお母さんも、なんならそのまたお母さんも、と3世代で楽しめる幅も厚みもある品揃えとなっている。
洗練された店内に温かみも加わっているのは、各地の伝統の技や手仕事から生まれた美しい品々が放つ熱量ゆえ。産地から届けられるのは、新潟県の片貝木綿や小千谷縮、福岡県の博多帯、沖縄県竹富島や石垣島のミンサー帯、京都府の西陣帯に京友禅などなど、背景に豊かな“物語”を持つものばかり。これらは「着物文化をどう広げ、つなげていくか」という共通意識を持ち、パートナーシップを結んできた各産地との対話から生まれ、届けられてきたものだ。
「この新潟十日町の縫い締め絞りの生地には、15万針が入っているんですよ」。実際に産地に足を運び続けている店のスタッフたちが、語らぬ布地の代わりに商品が生まれるまでの過程や地域の特性、布地の生かし方などを伝えてくれる時間も楽しい。
畳敷きの小上がりでは、染織を体験できるワークショップや職人さんを招いてのポップアップイベントの開催も。そのほか、着物のメンテナンスも常時受けつけている。すでに自転車でお直しに駆けつけてくるご近所さんもいるそうだ。
日本に長く息づいてきた和の文化。そこから生まれる伝統工芸品も着物も、現代の暮らしの中で実際に使ってこそ、身に着けてこそ愉しめる。そんな「きものやまと」のコンセプトを実感できる店舗の誕生だ。
【第2回】これからの民藝 「きものやまと」の江戸ゆかた を読む
きものやまと 表参道店
東京都渋谷区神宮前5-46-13
☎ 03-5962-6441
営/11:00~20:00
休/無休(年末年始休みあり)
Instagramは@kimonoyamato_omotesando
「きものやまと」全店で夏支度フェア開催
期間:2025年4月3日(木)より順次開催
有松鳴海絞りや注染など手仕事を感じるゆかたから、
新作小千谷縮、人気の「やまと可憐」シリーズの夏きものまで
コーディネートアイテム含め豊富に展開いたします。
心地よく、わくわくする夏のお支度は
お近くの「きものやまと」
または、オンラインストアにてご覧ください。
「きものやまと」お客様サポートセンター
☎0120-18-8880
https://www.kimono-yamato.co.jp/
文=藤田千恵子 撮影=神ノ川智早
※価格は消費税を含む総額となります。