ひんやりとした涼感をまとう小千谷縮、すうっと風が抜ける綿乱絽、さらりとした肌触りの阿波しじら。
伝統の技と上質な生地感は、着心地だけでなく、着る人の気持ちまでも涼やかにしてくれる。
身も心も手仕事のゆかたに包まれて、美しく快適な夏をお過ごしあれ。
シャリ感と軽やかさは麻ならでは。深みのある色と華やかな柄で気分上々
越後麻布の産地のひとつ、小千谷でつくられる「小千谷縮」。緯糸に強い撚りをかけて麻布を織り上げてから、ぬるま湯でもみ洗いし、生地を縮ませる。こうした技法で独特のシボが生まれ、麻らしいシャリッとした感触が高まり、きめ細やか、かつ軽やかな着心地になる。
咲き誇る花にも打ち上げ花火にも見える華やかな柄は、高島屋「秋の百選会」のために60年以上前にデザインされた訪問着「伯爵夫人」の図案をモチーフに、現代風にアレンジして京都で染めあげた。昭和レトロを思わせる柄行き、手描きさながらの繊細なタッチ、黄色、オレンジ、ネイビー、グレーの濃淡といった5色の色使いが、ゆかたなのに着物のような深みを持たせ、袖を通すだけで優雅な気分に浸れる。
ランダムにあいた絽目が涼やか。淡いグリーンをブラウンの帯で引き締めて
「絽」とは、からみ織りという技法で織られる盛夏を代表する絹織物のこと。これを木綿に応用させた生地が綿絽だ。
絽を織る際に「絽目」という小さなすき間があくが、このすき間を横方向にランダムにあけたものを「乱絽」という。絽目をするりと風が吹き抜けるため通気性がよく、ほどよい透け感はまわりの人にも清涼感を味わってもらえる。
一見、白百合の柄が大胆に感じられるけれど、ゆかたのベースカラーが淡いミントグリーンだから派手さや重たさとは無縁。夏の日差しにはこのグリーンが、夜空の下では白い花びらがよく映えそう。おしべの先端の色と帯の色をリンクさせ、シックで落ち着きのある大人のコーディネートに。
肌に張り付かず、動きやすい。お出かけはもちろん、リラックスタイムにも
徳島を代表する綿織物「阿波しじら」。手のひらですっとなでると、生地に細かいシボがあるのがわかる。織り上げた木綿を湯に通すと、経糸と緯糸の張力差で前述のシボが鮮やかに浮かび上がる。
もともと「阿波正藍しじら織」と呼ばれていた通り、藍で染めた糸で織られていたものの、現在では黄色や緑、写真のような薄紫色など、明るい色合いのものも多くつくられている。
阿波しじらのいいところは、通常のゆかたよりも長く着られること。ほんのり汗ばむ5月から夏の暑さが残る9月まで、肌触り抜群の一着を目いっぱいエンジョイしてはいかが。
※品数に限りがございますので、売切れの節はご容赦ください。
※価格表示のない小物等は参考商品です。
※価格は消費税を含む総額となります。
葛飾区 山本亭
東京都葛飾区柴又7-19-32
TEL 03-3657-8577
●大正末期から昭和初期に増改築された、山本栄之助翁の自宅。米国の日本庭園専門誌の3位にランクインした庭園を眺めながら、和洋折衷の建物ではのんびりとお茶や甘味も楽しめる。
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