アップルストアin銀座のワークショップを見学
Apple銀座で「フィールドトリップ」という団体向けワークショップに小学生が参加すると聞いて、最新のICT教育の現場にお邪魔してきました。
参加した小学生は茨城県古河市の上大野小学校の6年生19人。授業のテーマは国語と総合的な学習の時間を取り合わせたものです。事前に、3~4人のグループに分かれ、グループごとに「2度あることは3度ある」「残り物には福がある」などの好きな「ことわざ」を選んできます。ワークショップでは、ことわざを説明する映像を撮影し、動画編集を行い、1分程度の作品にまとめるというプログラムです。
使用する機械はiPadのみ。iPadのカメラの動画撮影機能や、iMovieという動画編集ソフトを使います。はじめにワークショップのスタッフが、タブレットで動画をうまく撮影するコツや、動画編集の基本テクニックなどを説明すると、児童たちは真剣に耳を傾けていました。
グループごとに分かれて撮影する場面では、大盛り上がり。お笑い番組のコントのような感じで役になりきっている子がいると、それを撮影しながら笑いがこらえられなくなった子もいて、あちらこちらで楽しそうな声が聞こえてきました。
驚いたのが、生徒たちが動画撮影だけでなく編集作業も慣れた手つきでどんどん進めていくこと。場面転換をかっこよく演出したり、効果音を加えて笑いのポイントを入れたり。なぜそんなに慣れているのか生徒に聞いてみると、いままでも何度もiMovieは使っているとのこと。家にiPadがあるのかと思いきや、iPadを学校の授業で使っていて、授業の中で動画の編集を覚えたそうです。
上大野小学校は実はICT教育の先進校。2年前から1人1台、自分専用のiPadが学校から貸し出されており、全授業で使っているそうです。生徒たちはiPadを自宅には持って帰れないことになっていますが、日々の授業でマイiPadは常に携帯しているそうです。
担任の薄井直之先生はiPadを授業で使うようになって、授業が効率的になったと話します。
「たとえば算数の立体図形を教えるとき、黒板やモノクロのプリントだと生徒に伝わりにくいのですが、iPadならカラーだし、画面の中で回転したりもできるので、断然生徒に伝わりやすい。理科なら実験を撮影したり、家庭科ではレシピを検索したり。いろいろな授業でプレゼンもするので、プレゼン方法もiPadで学んでいます。『いいプレゼン』と『悪いプレゼン』をテーマに2つの動画を作ってくることを課題にだして、いいプレゼンとは何かを一緒に考えたりしたこともあります」
また先生の業務の効率化にも役立っているという。
「iPadだと資料の管理がしやすいんです。以前は教室にプリントを持ってくるのを忘れて、職員室にとりに行ったりすることも多かったのですが、すべて今は必要なものがiPadに入っているので、皆無です。1日の歩数も2000歩も減りました」
タブレットを使いこなす生徒の横で、iMovieをはじめて使ってみた筆者。持参した自分のiPadに入っていた写真や動画を組み合わせて、スタッフの方の説明通りに操作すると、カンタンな作品ができあがりました。動画編集を食わず嫌いにしていた自分を反省し、デジタルネイティブの子供たちに負けないようにiPadを活用しようと決意しました。
全国の7箇所にあるアップルストアでは、「Youth Program」という無料のジュニア向け講座があります。今回見学させていただいたフィールドトリップのように団体向けのもののほか、個人で申し込めるサマーキャンプなどのプログラムも用意しているそうです。
ご興味のある方はぜひサイトをチェックしてみて下さい。