みんなのちからで
「はぐれプラごみ」
をなくそう!
「あった!」「ここにも!」
大きな声が砂浜のあちこちから聞こえてくる。子供たちが熱心に集めているのは「ごみ」だ。手に持ったごみ袋がどんどん膨らんでいく。
浜辺で回収した量はプラごみだけで69袋!
海を漂う大量のごみが世界規模で問題となっているのはご存じの通り。とりわけ海洋汚染の深刻な原因の一つであるプラスチックごみ対策は急務だ。
山口県の最東端、豊かな自然に囲まれた周防大島町の浜辺でも、海洋ごみ問題は住民の頭を悩ませていた。そこで2022年10月、「海ごみ・プラごみをなんとかしたい」という地域の思いの下、ボーイスカウトによる「プラごみバスターズ大作戦」が開催された。みんなでごみを拾い集め、浜辺をきれいにしようという取り組みだ。
この日、浜辺に集まったのは、同県岩国市・柳井市を中心に活動するボーイスカウト85名と、活動に協賛するセブン‐イレブン記念財団、およびセブン‐イレブン・ジャパンより48名、そして地域の協力者31名の合計164名。抱えきれないほどの大きな発泡スチロールの漂流物から、砂と見紛うほどのプラスチック片まで、さまざまなごみが集められていった。金属や瓶、大きな発泡スチロールの塊を除くプラごみだけで、その数なんと69袋(45Lサイズ)。大作戦を終えて美しい浜辺を取り戻し、子供たちも「きれいになると気持ちいい」「来年もやりたいね」と満足そうだ。
ボーイスカウトは、173の国と地域で5700万人以上が活動している世界的な教育運動である。22年に創立100周年を迎えた日本では、約1800団に9万人が所属。キャンプやハイキング、街頭募金などのグループ活動を通じて、自主性、協調性、社会性、たくましさやリーダーシップを育んでいる。「プラごみバスターズ大作戦(https://plagomi.scout.or.jp/)」は、これまで30年にわたって続けられてきた清掃活動「スカウトの日」の拡大版として、荒川河川敷での東京会場、琵琶湖岸での滋賀会場と共に実施された。
楽しみながら清掃に取り組んだ大作戦を機に、子供たちはごみ拾いSNS「ピリカ」を活用し、その後も身の周りで回収したごみの「見える化」に取り組んでいるという。地域のため、そして地球のために、自分ができることを始めているのだ。
ボーイスカウトには、学区を越えたいろいろな学年の友達との出会いがある。多様な仲間たちとさまざまな経験をする中で、子供たちは持続可能な世界の実現に向け、必要な力を養っていくのである。
「ごみ拾いを楽しく、続けやすく!」という思いで株式会社ピリカが開発。世界100カ国以上で利用されており誰でも無料でダウンロードできる。ごみ拾いの写真を投稿することで、回収したごみの「見える化」を実現している。
ごみ拾いSNS
「ピリカ」に登録して、
一緒にごみ拾い活動に参加しよう!
公益財団法人 ボーイスカウト日本連盟
TEL:03-6913-6262(代表)
https://www.scout.or.jp