あの帝国書院がつくった”いつでも持ち歩ける”地球儀アプリ

小学生のママに知ってほしいiPad勉強アプリ【第7回】 佐賀市立大和中学校 中村純一先生

懐かしくも美しいあの地球儀。学校の地図帳でも有名な帝国書院が開発
リストから探したい国を選択。位置や首都名に加えて国旗の由来まで解説
日本と面積比較ができる。“デジタル地球儀”ならではの機能
国名、国旗などから国を探すクイズ。楽しみながら世界の国々を覚えられる

「ウチにiPadはあるのだけど、ゲームとYouTubeにしか使ってくれなくて……」そんな悩みはありませんか?  せっかく買ったiPad、遊びだけでなく勉強にも使ってほしい!そんなママたちのために、家庭でも使えるイチオシのiPadアプリをご紹介。紹介くださるのは、学校や塾、専門スクールなど、教育現場でiPadを活用した学びに取り組んでいる9人の先生(iTeachers)たち。お子さんが自分から学ぶ姿が見られるようになるかもしれません。 

子供の頃、友達の部屋に置いてある地球儀を見て、羨ましく思った記憶はありませんか。そんな憧れの象徴である地球儀がアプリになりました。

「世界への関心をもってほしい」と子供に買ってやりたいけれど、地球儀って意外とかさばるので躊躇しているお父さんお母さんもいるのではないでしょうか。せっかく買ってあげてもちょっと遊んだだけで飽きてしまい、結局押し入れの中にしまったきり……なんてことになっている家庭もあるかもしれません。今回ご紹介する“デジタル地球儀”なら置く場所にも困りませんし、デジタルならではの楽しいしかけも満載です。

このアプリを推薦してくれたのは、佐賀市立大和中学校の中村純一先生。英語の先生でありながら韓国語も堪能というグローバルな先生です。「Google Earthのような感じで、くるくると地球儀を回せると同時に、国境をメインに表示したり、土地の高低や傾きなどの地勢をメインに表示したり、夜景を表示したりと地図の表示方法が選べます。他の国と日本との面積比較や緯度比較などもできるのですよ」と、おすすめしてくれました。学校の地図帳として採択されることの多い帝国書院が開発したアプリなので、信頼性も高いです。それではどんなアプリなのか、見ていきましょう。

アプリを起動すると、画面に表示されたのは、昔から変わらない色使いの地球儀。親の世代も地図帳などで中高生時代に見たことのある地球儀なので懐かしく思う人もいるでしょう。あらためて見ると、なんとも美しい。少し読み込みに時間がかかることがありますが、そのあいだも「国旗をおぼえてみよう!」と国旗と国名が表示され、子供を飽きさせない工夫がされています。

地球儀を触ってみると、本物の地球儀のようにぐるぐると回すことができます。拡大・縮小も簡単で、実際の地球儀のように、赤道や緯線・経線、日付変更線や海流などが表示されています。国を探したいときには、画面をダブルタップ。アイウエオ順で国名が表示されるので、国を選択すると、その国の位置や首都名、国旗の由来を確認することができます。また、画面右側にある日本地図のアイコンをタップすると、日本やグリーンランドと面積を比較したり、日本と同緯度の国を見たりといったこともできます。このあたりは実物の地球儀にはない、“デジタル地球儀”ならではの機能です。

そして、この「i地球儀」の一番のおすすめはクイズ機能。「世界の国々の位置を地球儀を回して回答するクイズ、国旗をヒントに回答するクイズ、その国を象徴する一枚の写真をヒントに国を選ぶクイズなど4種類あります」と、中村先生もこの機能に注目しています。

画面右下の家のマークを押すと現れる「Q」のアイコンをタップします。「国」「国旗」「写真」「地形」と4つのカテゴリが選べますが、やはり一番のおすすめは「国」(指定された国の場所)当てクイズ。レベルは6つあって各レベル20問ずつになっているので、国名と国の位置を段階的に覚えていくことができます。親子で「どっちが先に見つけられるか対決」なんて形で競ってみると、より楽しんで取り組めそうです。

いまの小学生が社会に出るころには、世界の人々を相手に渡り合っていくことが求められます。わが子がグローバルに活躍するためにも、さまざまな国のことを知っているといいですね。この地球儀は国とその場所を覚える勉強としても使えますし、子供がテレビのニュースや情報番組を観ていて海外に関心をもったときなどにさっとiPadを出して調べるという使い方もできるのでおすすめですよ。

【iTeachersプロフィール】

中村 純一 先生 

佐賀市立大和中学校英語科教諭。韓国人の教員や学者など教育関係者との親交も深く、国が進めるスマート教育についても学んでいる。勤務校においては、個人購入したiPadを用いながら、iPadなどのICT利活用の可能性を探ると同時に、ICT機器や授業での生かし方などについて、同僚からの相談を受けることも多い。主な研究分野:道徳教育、演劇教育、統計教育、家庭学習支援。

【筆者プロフィール】

小池  幸司 (教育ICTコンサルタント / 学習塾 俊英館)

2011年3月、他の学習塾に先駆けてiPad導入を実現。教育現場におけるICTの導入・活用を推進すべく、講演や執筆活動を通じて自社のiPad導入事例やノウハウを発信。2013年3月にはiPad×教育をテーマにした初の実践的書籍「iPad教育活用 7つの秘訣」をプロデュース。iTeachers発起人。

タブレットや電子黒板といったICT機器をうまく活用することで、学校をはじめとする教育機関でも“新しい学び”が広まりつつあります。iTeachers TVはそんな教育現場のいまをお届けする教育ICT情報番組。先生や生徒、教育関係者をゲストに招き、その実践や取り組みをプレゼンテーション形式でご紹介します。番組は毎週水曜日の夜にYouTubeで配信。ぜひチャンネル登録をしてご覧ください。