お弁当2つ持参で10時間集中!
夏休みも終盤。でも、中学受験生にとっては“勝負の夏”。まだまだ暑い勝負の日々が続いています。
夏のラストスパートに向け、力強くペンを握る小学6年生たちの姿を見学してきました。
うかがったのは、小誌『ファミリー満点塾』の監修などでお世話になっている、吉祥寺の進学塾VAMOS。小学生から大学受験生まで幅広い年齢の子が通っており、講師のほぼ全員が現役東大生やOB。上位校への合格率が高く、去年は、指導を受けた生徒の約3分の1が御三家などの難関校に合格しているそうです。
案内された教室のドアを開けると、静かだった廊下まで講師の声が響いてきます。教室はレベル別に3つに区切られ、それぞれに講師が一人、生徒が3~4人という少人数で授業が行われています。うかがった時間は算数の授業。
何より驚いたのは、最上級クラスの様子。他のクラスに比べ、講師の説明の口調が早い! 通常のテレビやラジオでアナウンサーが話す1・5倍くらいの速さで、ホワイトボードを2枚使ってどんどん解説していきます。説明の所々で講師が指名し、問題の途中の計算をさせたり、解答の根拠を聞いたりするので、生徒も気が抜けません。ホワイトボードを熱心に見つめ、手元のノートには目を落とさず、手だけを動かしてメモを取っていきます。
小学生とは思えないほどの真剣さに圧倒されるひとときでした。
ところで、生徒たちの机のまわりをみると、どの子もとても大きいバッグを持ってきています。「生徒さんの荷物が多いですね」と講師にうかがうと、「教材が多いのはもちろんですが、朝9時から夜の10時過ぎまで授業なので、お弁当箱が2つあるので、バッグは大きくなっちゃいますね」とのこと。
高い集中力を維持したまま、休憩は昼と夜の食事のみで一日10時間以上の勉強。さらに暗記と予習復習は自宅でやってくるそうです。
長時間の勉強にも関わらず集中力が途切れない子供たちの様子が不思議で代表の富永雄輔氏に聞くと、「勉強だと思うと続けるのは大変ですよね。そこでうちの塾では、ゲーム感覚を取り入れているのです。あえて成績も公開して、適度に競い合うようにしています」と言う。
「負けないぞ」と思うからでしょうか、休む子はほとんどおらず、子供たちは「毎朝、授業が始まるかなり前から塾に来ています。講師のほうが遅いくらい(笑)」(同前)とのことです。
中学受験生は、ここからが追い込み。残暑に負けずに頑張ってください。
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