環境大臣賞/環境フォト大賞商船三井賞「海は、ひとつ」より

テーマ:商船三井賞「海は、ひとつ」より

環境大臣賞/環境フォト大賞

画題「金波銀波の物語
海王丸がゆく」

小西明徳(51歳)
愛媛県松山市 会社役員

商船三井賞
「海は、ひとつ」より


2023年12月3日の朝、天気は曇天どんてん。若き練習生たちが操練する海王丸が、新来島しんくるじまどっく沖の小部おべ湾を抜錨はつびょう大角おおすみを周り世界で唯一の順中逆西じゅんちゅうぎゃくせい、海の難所の来島海峡を通過しました。龍馬ら幕末の先人たちが夢見た日本の海運の歴史は150年。海運がなければ、世界が平和でなければ、資源が手に入らずこの国は成り立ちません。海王丸に、海運の世界に、夢を託した若き未来の航海士たちと、海技かいぎ教育機構の方たちに感謝して。

協賛企業より

帆船は環境に優しい輸送方法として、古くから海洋国家である日本の暮らしと産業を力強く支え続けてきました。海王丸を見守るように差し込む薄明光線は神々しく、海運のこれからを担っていく若き未来の船員たちの安全への祈り、そして未来への希望が確かに感じられます。海と人との深い結び付きが、ずっと続いていってほしいと感じさせられる作品です。

審査員評

海洋国日本。太古の昔から海との関わりは深く、帆船は究極のエコロジーです。天空から降り注ぐ光芒は神々しく、航行する帆船の4本のマストが印象的で、思わずコロンブスらの大航海時代に想いをはせさせます。練習帆船海王丸を追って約5年、この大光景をキャッチした小西さんの執念の成果で、まさに「海は、ひとつ」を感じさせ、ロマンをかき立てられます。単に瀬戸内の青い海と海王丸では、これほどの情感を与えないでしょう。海への、帆船へのイメージを膨らませ、船と訓練生への愛情が結実した見事な作品です。