2024優秀賞
画題「消えゆく工場 1941-2023」
治多尚子(63歳)
奈良県大和郡山市 主婦
和歌山製油所が2023年10月に閉鎖されることを知り、最後の姿をまぶたに焼き付けたいと日没前から撮影に臨みました。海とみかん山の間にたたずむ工場、変化する空の色に魅了されつつ、強風による振動と白飛びに細心の注意を払いました。工場の雄姿に花を添えてくれたのは、地ノ島上空に発生した稲妻。新エネルギー時代へ力強く前進する、そんな願いを込めた一枚です。
2024佳作
画題「雲海気球」
森 光秀(40歳)
福岡県福岡市 会社員
2024佳作
画題「炎(ほむら)」
海老原勇一(61歳)
鹿児島県霧島市 自営業
2024次点(五十音順)
「勇猛果敢」小林義幸(66) 岐阜県可児市
「燃え尽きるまで」柴田 宏(77) 埼玉県戸田市
「虫送りの軌跡」福田奈津子(37) 東京都文京区
「一閃」持田広希(28) 埼玉県熊谷市
「雪花爛漫」山内雅人(60) 青森県弘前市
企業コメント
キタムラグループでは、カメラのリユース事業をスマートフォンや腕時計にも拡大し、循環型社会の構築に尽力しています。また、カメラのキタムラ全630店のLED化を完了し、省エネ、CO2削減に注力。美しい自然をテーマとする写真コンテストの開催や、使用済みフィルムケース、電池、インクカートリッジの適正回収といった従来の取り組みと併せて、今後もキタムラらしい環境保全活動を継続していきます。
優秀賞の「消えゆく工場 1941-2023」は、人類にとって重要かつ切実でありながら、一枚の写真では表しがたい「脱炭素社会への転換」というテーマを、製油所をモチーフにして的確に写真化しています。昨今はやりの工場夜景写真の中でもひときわ美しく見えるのは、撮影者に近代文明へのリスペクトがあるからでしょう。雷雲は、撮影地までの険しい道を越えた努力に、最高のプレゼントが贈られたように思います。
審査員評
長年、日本を支えてくれた工場に対する撮影者の惜別の念が感じられる優秀賞。稲妻は、この工場に対する天からのメッセージかもしれません。佳作の「雲海気球」は、気球がゆったり自然を満喫しているようです。もう一方の「炎(ほむら)」からは大自然のエネルギーが感じられます。