大海へ向かって力強く進むウミガメの赤ちゃんと、その姿を波打ち際に座って見つめる人間の赤ちゃん。生きる環境は違うけれど、真っすぐ前を見つめる二つの新しい生命に「たくましく生きる力」を感じます。未来には試練があるかもしれませんが、希望を持ってどうかたくましく生きていってほしい。彼らの健やかな成長を願い、思わずエールを送りたくなる作品です。
アカウミガメが産卵のために上陸する鹿児島県の吹上浜では毎年、無事に育ったカメの赤ちゃんを放流するイベントが行われているそうです。作品はそこでのワンシーン。作者は共に0歳の息子とアカウミガメをコラボレーションしました。この情景には、誰しもが「大きく育てよ」「たくましく元気に生きよ」と応援したくなり、そのために環境保全に力を注がなくてはという意識に駆られるでしょう。メッセージ性の強い、心を打つ素晴らしい作品です。