大手ネット証券の1つにマネックス証券がありますが、SBI証券や楽天証券と比べて特徴を深く知らないという人も多いかもしれません。
マネックス証券は米国株の手数料の低さや、クレカ積立のポイント還元率の高さなどが魅力の証券会社です。一方で、外国株の取扱国数が少ない点や、1日定額の日本株の売買手数料が他のネット証券より割高な点などには注意しましょう。
この記事では、マネックス証券の口コミ、評判やメリット、デメリットなどを紹介します。利用する証券会社選びに迷っている人や、SBI証券や楽天証券以外の会社もしっかりチェックしておきたい人は、ぜひ参考にしてください。
編集者・北川真大
金融系ライター・個人投資家
明治大学法学部卒業後、証券会社に入社。入社後すぐに2級ファイナンシャル・プランニング技能士を取得し、個人営業に従事。証券営業の経験をもとに金融系の記事執筆やKindle出版を開始し、現在はフリーライターとして活動中。日本株、投資信託、暗号資産、不動産を保有する個人投資家でもあり、日本株の投資歴は累計7年以上に及ぶ。
・保有資格
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
証券外務員一種
・Twitter
マネックス証券の口コミ・評判は良いの?悪いの?
マネックス証券はどんな証券会社ですか?
新興企業が多いネット証券のなかで、マネックス証券は老舗証券会社に位置づけられており、口コミサイトなどでも高い評価を受けています。
ここではマネックス証券に寄せられている評判や口コミをご紹介していきます。
マネックス証券に関する各サイトの評価は、価格.comで3.32点/5.00点、MINKABUで3.3点/5.00点、オリコンでの総合得点は67.5点となっています(2023年9月25日時点)。
いずれのサイトでも6割以上のスコアを獲得しており、平均的に高い評価を受けていることがわかります。
寄せられている口コミは満足しているものと不満を感じているものの両方があります。
スコアや口コミはあくまでも寄せられている一意見です。過度に信用しすぎず、かといってないがしろにすることなく、利用するかどうか判断するための材料の1つとしましょう。
良い評判・口コミ
まずはマネックス証券に寄せられている良い評判、口コミをご紹介していきます。
性別:女性
年齢:50代
職業:経営者値上がり益は勿論ですが、株主になることで配当金や株主優待を受取ることもできる事が嬉しいですね。 現物取引手数料は50円(税込:55円)からなので安心して資金不足でも気軽に投資できました。 少額からリーズナブルに投資でき主婦でも気軽にトライ出来る事はホント助かりました。株式チャートも見やすく使いやすかったです。 買付手数料が無料とはホント魅力的でした。
出典:クラウドワークス
性別:男性
年齢:40代
職業:個人事業主先物取引の注文方法が多彩な事、アメリカ株の取引に優れているので口座開設しました。 先物取引では、利益確定と損切りを同時に設定する指値があります。先物は短期取引が多いので、これは助かります。他にも一定の金額になったら発動する追跡指値もあります。 アメリカ株が業界最安値水準の手数料で取引できるのも魅力的です。
出典:クラウドワークス
性別:男性
年齢:20代
職業:正社員国内株の取引手数料が安く、株を1株から購入もできるから。SBI証券のアプリでの株式銘柄の検索が使いやすく、チャートも見やすい点がとても良い。基本、ネット画面での取引を主にしているが、アプリも使いやすいのはとてもよい。ただ、米国株が購入できる点は良いが、米国株の取引手数料が高く感じるときがある。 それ以外はとても良い。
出典:クラウドワークス
性別:女性
年齢:40代
職業:アルバイト・パート手数料なども魅力でしたが、一番は銘柄スカウターがとても便利でした。ほかの証券会社でも銘柄の売り上げや決算などを見るとこができますが、銘柄スカウターはファンダを調べるうえで、とても便利です。特に決算の売り上げや利益、資産や今後の予想、アナリスト予想などがとても見やすくデザインされているので、初心者でも調べやすく、今ではほかのツールは使えません。これだけでも口座開設するメリットがあります
出典:クラウドワークス
マネックス証券は画面のデザインがシンプルで、自分のしたいことがすぐわかるような作りになっています。
また、米国株の手数料が他のサービスと比較して安く設定されている点を評価されています。
\米国株の売買手数料や為替手数料が安い/
悪い評判・口コミ
次にマネックス証券に寄せられている悪い評判、口コミをご紹介していきます。
性別:男性
年齢:60代
職業:個人事業主手数料の安価さと、扱っている米国株、ETFが多彩なので、口座を設けた。確かに、他の証券会社にないETFがあり、満足出来た。しかし、実際に購入するとなると、外国株管理サイトに資金を移動しなければならず、面倒であった。円貨、外貨の決済の方法の選択も煩わしく、簡素化が望まれる。さらに、外国株管理サイトに移動するだけではなく、米国株取引サイトに入らないと購入できず、エラー画面が英語なので不便である。
出典:クラウドワークス
マネックス証券は1999年にソニーと共同出資で設立した証券会社で、ネット証券のなかでは歴史のある会社です。昔からサービスを展開しているがゆえに、新しく参入してきたサービスと比較すると、スピードが遅い印象を与えるようです。
どんなサービスにもメリット、デメリットは存在します。良い評判があるからといって、使いづらい点がないわけではありません。同様に、悪い評判があるからといって、サービス全体に問題を抱えているわけでもありません。利用している方々の声として参考程度に考えていきましょう。
マネックス証券を利用する3つのデメリット
マネックス証券にデメリットや注意点はありますか?
日本株の売買手数料が高い点が最大のデメリットでしょう。また、NISAで米国株を購入する手続きが少し手間がかかります。SBI証券や楽天証券などと比べると外国株の取扱国数が少ないのも気になりますね。
マネックス証券を利用する際のデメリットをご紹介していきます。今回ご紹介するデメリットは以下の3つです。
日本株の売買手数料は割高
日本株の売買手数料が、SBI証券や楽天証券などと比べると割高なのがデメリットの1つです。マネックス証券とSBI証券、楽天証券の1日定額コースの日本株の売買手数料は以下の通りです。
■1日定額コースの日本株売買手数料
証券会社 | 約定金額100万円\* | 約定金額200万円\* | 約定金額300万円\* |
---|---|---|---|
マネックス証券 | 550円 | 2,750円 | 2,750円 |
SBI証券 | 0円 | 1,238円 | 1,691円 |
楽天証券 | 0円 | 2,200円 | 3,300円 |
1日定額コースで見た場合は、SBI証券と比べて約定金額にかかわらず割高です。また、1日の合計約定金額が200万円までのときには楽天証券と比べても高くなります。このように、日本株を取引するとコストが多くかかる点は、マネックス証券の大きなデメリットでしょう。
日本株を頻繁に売買する人は、売買手数料の安い証券会社を選ぶのがよいです。その点では、1日100万円まで売買手数料が無料で、売買金額が大きくなっても手数料の上昇幅が小さいSBI証券がおすすめです。
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NISA口座で米国株を購入するには資金の振替が必要
NISA口座で米国株を購入する際に「振替」という手続きをしなければならないのが、マネックス証券の特徴です。SBI証券や楽天証券などと比べて、購入時に手間がかかります。
マネックス証券では、通常の証券口座と外国株取引口座が分かれていて、事前に外国株取引口座に資金を移す必要があります。さらに、NISAで取引するためには資金をそこからNISA用米国株口座に振り替えなければなりません。
SBI証券や楽天証券では、購入時の画面でNISAを選択するだけで簡単にNISA口座で米国株を買えます。両社と比べると、マネックス証券のNISA口座での米国株の手続きは手間がかかるといえるでしょう。
米国株をNISAで購入する予定の人は、SBI証券や楽天証券を選択するのも一案です。
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外国株の取扱国数が少ない
マネックス証券では、取り扱う外国株は米国株と中国株の2ヵ国のみで、SBI証券や楽天証券などと比べて、取扱国数が少ないのがデメリットです。
■外国株の取扱国数
証券会社 | 取扱国 |
---|---|
マネックス証券 | 2ヵ国(米国・中国) |
SBI証券 | 9ヵ国(米国・中国・韓国・ロシア・ベトナム・インドネシア・シンガポール・タイ・マレーシア) |
楽天証券 | 6ヵ国(米国・中国・シンガポール・タイ・マレーシア・インドネシア) |
米国株以外も含めた外国株に積極的に投資したいなら、取扱国数で見たときのラインアップが充実しているSBI証券で投資するのがおすすめです。
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マネックス証券を利用する3つのメリット
マネックス証券のおすすめのポイントは?
マネックス証券はクレカ積立のポイント還元率が高いのが大きなメリットです。また、米国株投資では為替や購入時の手数料が安いのも特徴となっています。日本株が1株から手数料無料で買えるので、少額から投資を始めたい初心者にもおすすめですね。
マネックス証券を利用する際のメリットをご紹介していきます。
今回ご紹介するメリットは以下の3つです。
クレカ積立のポイント還元率が高い
年会費無料のカードだけで比較すると、マネックス証券は主要なネット証券のなかでクレカ積立のポイント還元率が最も高く設定されています。
クレカ積立とは、クレジットカード決済で投資信託を定期的に購入していく制度です。現金を用意せずに購入できるうえ、複数のネット証券では、毎回の積立金額に応じてポイントが付与されます。
主要ネット証券のポイント付与対象クレジットカードと、ポイント還元率は以下の通りです。
■主要ネット証券のポイント付与対象カードと還元率
証券会社 | ポイント付与対象の 年会費無料クレジットカード |
ポイント還元率 |
---|---|---|
マネックス証券 | マネックスカード | 1.1% |
SBI証券 | 三井住友カード(NL) | 0.5% |
楽天証券 | 楽天カード | 0.5% |
auカブコム証券 | au PAY カード | 1.0% |
SBI証券は最大5.0%の付与と紹介されていますが、これは年会費が3万3,000円(税込み)かかる三井住友カード プラチナプリファードで積み立てた場合です。楽天証券も、年会費が1万1,000円(税込み)の楽天プレミアムカードであれば、還元率は1.0%までアップします。
これらに対して、マネックスカードは年会費無料のカードでありながらポイント還元率が高いのが魅力です。クレカ積立をお得に行いたい人には、マネックス証券がおすすめです。
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米国株購入時の為替手数料が無料
マネックス証券の米国株投資は為替手数料が無料であることをはじめ、コストをかけずに投資できるのが特徴です。
米国株は米ドル建てのため、米ドルを持っていない人は購入時に円を米ドルに変換しなければなりません。多くの証券会社では手数料がかかりますが、マネックス証券では手数料無料です。
また、マネックス証券では米国株の購入手数料にもお得な制度があります。例えば、NISAで米国株を購入するときの購入手数料を当面全額キャッシュバックする制度を導入しています。実質無料で米国株が買えます。
さらに、米国株の取引手数料は0米ドル〜となっているため、NISA以外で購入するときも銘柄を選べば手数料を抑えて取引ができます。
マネックス証券やSBI証券、楽天証券各社の米国株取扱数は以下の通りです。
■米国株取扱数
米国株銘柄数 | |
---|---|
マネックス証券 | 4,908銘柄 |
SBI証券 | 5,372銘柄 |
楽天証券 | 4,818銘柄 |
auカブコム証券 | 1,878銘柄 |
松井証券 | 3,033銘柄 |
マネックス証券の米国株取扱数は約4,900銘柄と豊富で、SBI証券に迫る銘柄数となっています。米国株を取り扱う証券会社のなかでもトップクラスの取扱数といえるでしょう。マネックス証券であれば、自分の投資スタンスにあった銘柄を柔軟に選択して投資できるでしょう。
また、日本時間の日中でも米国株の取引ができる「米国株国内店頭取引」があるため、夜更かしして米国時間を待つ必要がありません。
そのほか、米国株専用スマホアプリ、銘柄分析ツール、セミナーなど投資情報も充実しています。初心者でもスムーズに米国株投資にチャレンジできるでしょう。日本株と比べ配当利回りが高い傾向にあり、成長性も見込める米国株投資をぜひマネックス証券で始めてみてください。
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日本株が1株から手数料無料で買える
「ワン株」(単元未満株)もマネックス証券の人気を支えるシステムです。通常、株式の取引は100株単位で行われます。そのため、例えば株価が5,000円の場合50万円もの資金が必要となります。こうした点が、株取引がハードルの高いものとなっている要因の1つです。
ワン株(単元未満株)は100株単位ではなく1株から取引ができる制度で、ほとんどの銘柄が1万円程度で購入できます。「資金はあまりないけど、将来に備えて少しでもお金を運用したい」という人に最適な制度です。
マネックス証券の単元未満株「ワン株」では、買付手数料が無料となっています。
■ミニ株買付手数料
ミニ株買付手数料 | |
---|---|
マネックス証券 | 無料 |
SBI証券 | 無料 |
楽天証券 | 無料 |
auカブコム証券 | 約定額の0.55% |
ワン株を活用すれば、少しずつ投資を始めたい初心者でも、手数料を抑えて少額での株式投資を始められます。
\単元未満株の購入手数料が無料/
マネックス証券の始め方や口座開設の流れは?
マネックス証券で口座開設するにはどうすればいいですか?
オンラインもしくは郵送で口座開設ができます。スマートフォンがあるなら、最短で申し込んだ翌営業日から取引ができるオンライン口座開設がおすすめです。インターネットにつながったスマートフォンと本人確認書類があれば、すぐに手続きを始められます。
ここではマネックス証券の口座開設方法と具体的な投資の始め方について解説していきます。
マネックス証券で投資を始めるためには口座開設が必要です。口座開設は「オンライン口座開設」と「郵送口座開設」の2つの方法から選択できます。
オンライン口座開設であれば、最短で申し込んだ日の次の営業日に開設できます。インターネット環境さえあればできるのでおすすめです。ここからは、オンライン口座開設による口座開設方法について紹介します。
申込み
スマートフォンを持っていて、以下に当てはまる人がオンライン口座開設を利用できます。
- 個人番号カードまたは運転免許証+マイナンバー通知カードをお持ちの人
- 日本国籍の成人で日本に納税をされている人
まず「口座開設」をタップして申込みを開始します。最初に個人情報の取扱いや反社会的勢力でないことなどの確認が行われ、続いてメールアドレスを入力します。
入力したメールアドレスに、口座開設の手続きを先に進めるためのメールが来るので、メールに記載のリンクをクリックして個人情報の入力を進めてください。
続いて、本人確認書類のアップロードと、スマホのカメラ機能を活用した本人認証を行います。なお本人認証は、三菱UFJ銀行のオンラインバンキングである三菱UFJダイレクトにログインして行うことも可能です。
以上で申込手続きは完了なので、口座開設通知を待ちましょう。
\申込みはスマホで完結/
口座開設
申込みが済むと、申請したメールアドレスに「口座開設通知メール」が届きます。メールは「証券総合取引口座開設完了のお知らせ」という件名となっています。
以上で口座開設は終了し、マネックス証券の口座が利用できるようになります。
\最短翌日には取引が始められる/
入金orクレカ発行
口座に入金すれば、入金した残高を上限に証券売買が可能になります。入金には即時入金と銀行振込による入金がありますが、基本的には即時入金の方が便利です。
即時入金は、提携金融機関のオンラインバンキングを通じてマネックスの証券口座の中から入金手続きを開始する方法です。例えば、以下の銀行のオンラインバンキングに対応しています。
この方法では、入金手続きが完了すれば、通常は即座に証券口座に反映されて、取引が可能です。通常の銀行振込で証券口座に入金することもできますが、この場合は振込手数料がかかるうえ、反映まで30分〜3時間半ほどかかります。
クレカ積立を行う人はマネックスカードも作っておきましょう。「クレカ積立」の案内の下に「マネックスカードを申込む」というボタンがあるので、これを押すと手続きを進められます。
トップ画面からホーム>商品・サービス一覧>マネックスカード(クレカ積立)とたどっていきましょう。
下段にスクロールしていくと、以下の画面が出てきます。
\クレカ積立のポイント還元率が最大1.1%/
マネックス証券についてよくあるQ&A
マネックス証券についてよくあるQ&Aをまとめました。
- 潰れたらどうなる?
- 証券会社は、顧客と自社の資産を分けて管理することが義務づけられています。マネックス証券に限らず、法令を遵守している証券会社であれば、原則として倒産したとしても資産がなくなることはありません。
また、万が一適切に管理されていなかったとしても、日本投資者保護基金により、証券会社に預けられた資産は1顧客あたり1,000万円まで補填されます。
- 何円から投資が始められる?
- 投資信託の場合は、原則100円から1円単位で購入金額を決められます。積立ても同様で、月1回の積立てを選べば、毎月100円ずつ投資することが可能です。
なお、マネックス証券には「毎日積立」がありますが、毎日積立の場合は1日あたり100円が最低投資金額です。1ヵ月の合計額で見るとおよそ2,000円程度積み立てる必要があるので注意しましょう。
- 1株から買える?
- マネックス証券では「ワン株」というミニ株(単元未満株)での売買サービスを実施しており、この制度であれば1株単位での売買が可能です。なお、NISA口座(一般NISA)にも対応しています。日本株は通常1単元=100株が売買単位ですが、マネックス証券をはじめミニ株制度のある証券会社であれば、より小さい単位での投資が可能です。
なお、米国株については通常1株単位で取引するものなので、マネックス証券をはじめ米国株売買を扱っている証券会社であれば、基本的に1株単位で売買できます。
マネックス証券はクレカ積立や米国株を始めたい人向け
マネックス証券がおすすめな人は次のような人です。
- クレカ積立で投資していきたい人
- 米国株投資を積極的に行いたい人
- 少額で投資を始めたい初心者
マネックス証券は、クレジットカードを使って積立投資をしたい人におすすめです。マネックスカードのクレカ積立のポイント還元率が高いので、投資しながらポイントをためることもできます。なお、ためるだけでなく、投資信託の購入にポイントを使えるのも魅力です。
また、米国株にコストをかけずに投資できるのも特徴です。銘柄数も豊富なので、米国株で積極的に投資していきたいという人にもおすすめです。
マネックス証券は100円からの積立投資や1株で投資できるワン株など、少額から投資する方法が充実しています。ワン株については購入手数料が無料で、コストがかからないのも魅力です。投資初心者でも少額で投資を始めて、少しずつ慣れていくことができます。以上の特徴に魅力を感じる人は、ぜひマネックス証券に口座開設しましょう。
\クレカ積立や米国株投資におすすめ!/