朝日が昇る中、繁殖期に向けて子どもを生み育てるための巣を作るコウノトリ。その尊い命をつなぎ、育もうとする親鳥の姿には、「たくましく生きる力」を感じざるを得ません。この命の尊さだけでなく、2羽のコウノトリからは助け合いの精神も感じられます。あらゆる生物が共存共栄していけるような環境保全の重要性を改めて認識させてくれる力作です。
作者は、コウノトリの親鳥の巣作りからひなの巣立ちまでのおよそ3カ月間、毎日観察を続け、写真に収めていったそうです。雌鳥の待つ巣に、雄鳥が草をくわえて戻ってきた姿を、夏至の頃の朝の光を巧みに活用し、シルエットで捉えた一枚は実にドラマチックです。コウノトリの子孫繁栄へのたくましさとして企業テーマもしっかりと写し出されており、感動的で素晴らしい、の一言に尽きます。環境大臣賞にふさわしい、心に響く一枚です。