霧が奥只見湖から峰を越えて滝のようにあふれる枝折峠(新潟県魚沼市)での「滝雲」。その神秘的な光景を星空と組み合わせた珍しい作品です。オリオン座などの星々をゴージャスに描写しながら、地球という惑星の“今”を壮大かつ動感豊かにとらえていて実に見応えがあります。心にしっかりイメージがあったからこそ撮れた一枚でしょう。
奥只見湖の滝雲と天の川を同時におさめるということは、まさに今日における「写真の力」を活用しなければ実現し得ません。壮大な宇宙が作り出す大光景が、協賛テーマに適した形で見事に切り取られています。作品からは、大自然の荘厳さに対する作者の畏敬の念が伝わってくるようです。ただ、どんなに作者が思いを寄せ、いくら技術が進歩しても、自然環境がこれ以上破壊されてしまうと、このような写真は撮れなくなります。地球環境への警鐘を鳴らすという意味でも、非常に意義深い作品だと言えます。